HoYoverseは、同社が開発・運営する人気ゲーム『崩壊:スターレイル』の次期大型アップデート「Ver.4.0」において、PCおよびモバイル端末の推奨動作環境を引き上げると発表した。グラフィック品質とゲーム全体の安定性向上を目的とした措置で、一部の旧世代デバイスではパフォーマンスが低下する可能性がある。

グラフィック向上に伴う動作環境の更新

HoYoverseによると、今回のスペック引き上げは、Ver.4.0で実装される新しいグラフィック表現や機能に対応し、プレイヤーに安定したゲーム体験を提供するために不可欠だという。推奨スペックを満たさないデバイスでもゲームの起動は可能だが、フリーズやクラッシュが発生しやすくなるなど、安定した動作は保証されないとしている。同社は、快適なプレイのために、推奨環境以上での利用を呼びかけている。

プラットフォーム別の新動作環境

Ver.4.0以降の各プラットフォームにおける主な動作環境は以下の通り。

PC版

  • 推奨スペック: Intel Core i7プロセッサー、16GBのメモリ、NVIDIA GeForce GTX 1060 (6GB) 以上のディスクリートGPU
  • 最低スペック: Intel Core i5プロセッサー、8GBのメモリ、NVIDIA GeForce GTX 1050 以上のディスクリートGPU

Android版

  • 推奨スペック: Snapdragon 870、Dimensity 1300、Kirin 9000、またはそれらと同等以上の性能を持つSoC(System-on-a-Chip)を搭載したデバイス
  • 最低スペック: Snapdragon 835、Dimensity 720、Kirin 810、またはそれらと同等以上の性能を持つSoCを搭載したデバイス

iOS / iPadOS版

  • 推奨スペック: iPad mini (第6世代, A15 Bionicチップ)、iPad Pro 11インチ (第3世代, M1チップ) またはそれ以降のモデル
  • 最低スペック: iPad Pro 10.5インチ (2017年モデル, A10Xチップ) またはそれ以降のモデル

なお、Imagination Technologies社のD-Seriesを除くPowerVRアーキテクチャのGPUはサポート対象外となることが明記されている。

日本市場への影響

HoYoverseの『崩壊:スターレイル』推奨スペック引き上げは、日本の半導体・電子部品業界に具体的な影響を与える。特に、NVIDIA GeForce GTX 1060 (6GB) 以上のディスクリートGPUやSnapdragon 870相当のSoCが推奨されることで、高性能チップへの需要が加速する。これは、先端ロジック半導体製造装置を手がける東京エレクトロンや、高性能GPU向けメモリーを供給するキオクシアにとって、ビジネス機会の拡大を意味する。

一方で、旧世代デバイスでのプレイ不安定化は、中古スマートフォン市場に影響を及ぼす可能性がある。日本の中古スマホ流通企業は、中国メーカーの旧型モデルの在庫評価を見直す必要に迫られるだろう。例えば、Kirin 810搭載機など、中国市場で大量に流通した旧世代SoC搭載端末の価値が下落し、買取価格や再販価格に影響が出ることが予想される。

さらに、Imagination Technologies社のPowerVRアーキテクチャGPUがサポート対象外となる点は、同社技術を採用する一部の日本メーカー製デバイス、特に過去にPowerVRを採用したApple製品の周辺機器や、特定用途向け組み込みデバイスの互換性問題として顕在化する可能性がある。これは、日本のゲーム周辺機器メーカーが、将来的な互換性リスクを考慮した製品開発戦略への転換を迫られることを示唆している。