中国の自動車アフターマーケットが、2025年に向けて大きな転換期を迎えている。中国の自動車専門メディアによると、3.6億台を超える自動車保有台数を背景に、特に新エネルギー車(NEV)の普及が加速。中古車市場やカスタマイズ分野で新たな需要が生まれ、市場構造が変化しつつある。
NEVの普及が市場構造を転換
NEVの普及は、自動車アフターマーケットに構造的な変化をもたらしている。特に中古車市場での影響は大きく、2025年にはNEV中古車の販売台数が128.4万台に達し、前年比44%増と急成長を遂げた。これに伴い、従来のメンテナンス需要に加え、バッテリー交換やソフトウェア更新といったNEV特有のサービス需要が拡大している。
総販売台数3,440万台のうちNEVが1,649万台を占める現状は、アフターマーケットのサービス内容そのものを変えつつある。従来のエンジンオイル交換などに代わり、高度な電子制御システムの診断・修理技術の重要性が増している。
拡大するカスタマイズ市場
自動車オーナーの間で、車両のカスタマイズに対する関心が高まっていることも市場の重要な特徴だ。内外装の変更から性能向上まで、個性化への需要は増加の一途をたどっている。2024年時点で、中国国内のカスタマイズ市場規模は数十億元(数千億円規模)に達した。
2025年には新たな規制緩和や政策支援が導入され、業界の健全な発展が期待されている。これにより、これまでグレーゾーンとされてきたカスタマイズが正規のサービスとして確立され、市場の透明性が高まると見られている。
日本企業への示唆
中国のNEVアフターマーケットの急成長は、日本企業にとって明確な事業機会と課題を提示する。まず、2025年にNEV中古車販売が前年比44%増の128.4万台に達した事実は、日本製の自動車部品やメンテナンス機器メーカーにとって、従来のガソリン車向けサプライチェーンとは異なる新たな需要構造の出現を意味する。特に、バッテリー診断・交換技術や、高度な電子制御システムに対応する診断機器、ソフトウェア更新サービスなど、NEV特有の技術を持つ日本企業には、中国市場への参入余地が生まれる。
次に、中国のカスタマイズ市場が数十億元規模に達し、2025年の規制緩和で正規サービス化が進む点は、日本の自動車アフターパーツメーカーにとって直接的なビジネスチャンスとなる。例えば、日本の大手自動車用品店であるオートバックスやイエローハットのような企業は、中国のNEVオーナーの個性化ニーズに応える高品質な内外装パーツや性能向上部品の供給で存在感を発揮できる可能性がある。ただし、中国市場の急速な変化に対応するためには、現地企業との連携や、NEV特有のデザイン・機能要件への迅速な適応が不可欠となる。日本の自動車関連企業は、従来の「完成車輸出」に固執せず、中国のNEVエコシステムにおける「サービス・部品供給」という新たな役割を模索すべきだ。