中国政府は1月13日、天津市で第6回目となる高価な医療材料の国家集中購入を実施した。今回の入札では、血管狭窄や尿路結石の治療に使われる医療材料など12品目を対象に価格交渉が行われ、最終的に202社の440製品が採用された。政府主導の集中購入により、医療費の抑制と患者負担の軽減を図る。
血管・尿路系材料など12品目が対象
今回の集中購入には、国内企業を中心に227社が496製品で入札に参加した。対象となったのは、血管狭窄の治療に用いる薬剤溶出ステントやバルーンカテーテル、尿路結石の破砕・摘出手術に使用されるバスケットやガイドワイヤーなど計12品目だ。採用率は製品数ベースで約89%に達した。
2020年から続く集中購入、累計142品目に
中国政府による高価な医療材料の国家集中購入は2020年に始まり、今回で6回目となる。これまでに累計で142種類の医療材料が対象となり、価格の大幅な引き下げが実現してきた。政府は、この制度を通じて医療保険財政の健全化を進めるとともに、国民が質の高い医療を安価に受けられる体制の構築を目指す。新華社通信が伝えた。
日本企業への示唆
中国の医療材料集中購入は、日本企業にとって事業戦略の見直しを迫る。血管狭窄治療に用いられるステントやバルーンカテーテル、尿路結石治療のバスケットやガイドワイヤーといった品目が対象となり、202社440製品が採用された事実は、価格競争の激化が不可避であることを示唆する。特に、日本企業が強みを持つ高品質・高価格帯の製品は、中国市場での価格優位性を失いかねない。
この集中購入制度は2020年から始まり、累計142品目にまで対象を拡大している。これは、中国政府が医療費抑制を国家戦略として重視している証拠であり、今後も対象品目が拡大する可能性が高い。日本企業は、単に製品を供給するだけでなく、中国国内での生産・開発体制の構築や、集中購入対象外のニッチな高付加価値製品へのシフトを検討する必要がある。例えば、中国国内の医療機器メーカーとの合弁事業や技術提携を通じて、現地生産によるコスト削減と市場への適合を図る戦略が有効だろう。また、集中購入制度の対象となりにくい、個別化医療や再生医療といった先端分野への投資を加速させ、新たな収益源を確保することも重要となる。