春節(旧正月)を控え、中国各地で正月用品を販売する特設市が活況だ。新疆地区ウルムチ市や陝西省西安市、安徽省黄山市などでは大規模な市が開かれ、多くの買い物客で賑わっている。新華社通信などが伝えた。

新疆・西安:地方色豊かな特産品が人気

新疆地区ウルムチ市の特設市では、燻製馬肉や牛肉・羊肉製品、各種乳製品といった地元の特産品が人気を集めている。会場では、赤い提灯や「春聯(しゅんれん)」と呼ばれる縁起の良い対句を飾る文化を紹介するブースや、無形文化遺産の展示も行われている。

陝西省西安市の市では、塩漬けや燻製にした牛肉・羊肉、伝統菓子、ドライフルーツなどが店頭に並ぶ。その年の干支をテーマにしたオリジナルグッズや、無形文化遺産に登録されている手工芸品も販売され、消費者の関心を集めている。

安徽・黄山:無形文化遺産の「魚灯」も登場

安徽省黄山市の市では、伝統的な民俗芸術の一つである「魚灯(ぎょとう)」が正月飾りとして販売されている。魚灯は魚の形をした提灯で、豊かさや幸福の象徴とされる縁起物だ。

このほか、多くの市で共通して、新年に飾る縁起の良い絵「年画(ねんが)」や提灯、春聯といった伝統的な正月用品が根強い人気だ。消費者はこれらの品々を買い求め、家族や友人と共に迎える春節の準備を進めている。

日本企業への示唆

今回の春節商戦の活況は、中国内需の回復を示す一方で、日本企業にとって新たな機会とリスクを提示する。

まず、新疆地区ウルムチ市で燻製馬肉や牛肉・羊肉製品が人気を集めている点は、日本食品輸出企業にとって示唆に富む。中国消費者の食の多様化と高品質志向が鮮明であり、日本産の高品質な畜産品や加工食品が新たな市場を開拓できる可能性がある。特に、地理的・文化的に近い九州地方の畜産品などは、新疆市場への参入を検討する価値があるだろう。

次に、安徽省黄山市で「魚灯」のような無形文化遺産の工芸品が正月飾りとして人気を博している事実は、日本の伝統工芸品やキャラクターグッズ産業にとってヒントとなる。中国消費者が単なる消費財だけでなく、文化的な背景や物語性を持つ商品に価値を見出している傾向が読み取れる。日本の漆器、陶磁器、あるいはアニメ・漫画のキャラクターを活用したオリジナルグッズが、春節のような特別な時期の贈答品やコレクションアイテムとして、中国市場で新たな需要を喚起する可能性を秘めている。

一方で、西安市で干支をテーマにしたオリジナルグッズが人気を集めることは、知的財産権保護の重要性を再認識させる。日本のアニメキャラクターやブランドが模倣品として流通するリスクが高まるため、中国市場での商標登録や著作権保護戦略の強化が不可欠となる。春節商戦の需要増は、同時に模倣品製造のインセンティブを高めるため、事前対策が急務だ。