春節(旧正月)の大型連休4日目にあたる2月18日、中国各地の観光地が多くの旅行者で賑わった。山東省や陝西省など複数の省で観光客数と収入が前年同期比で大幅に増加し、国内旅行市場の回復が鮮明になっている。新華社通信などが伝えた。
各地で記録的な人出
山東省では、省内の主にな観光地200カ所で18日15時までに386.2万人の観光客を迎え、観光収入は1.8億元(約37億円)を記録した。特に、国内最高ランクに格付けされる「5A級観光地」16カ所には103.6万人が訪れ、前年同期比で6.68%増加した。
陝西省でも、主にな観光地55カ所を訪れた観光客は18日までに140.35万人に上り、前年同期比で21.36%の大幅増となった。観光収入も同26.19%増の7572.92万元(約15.6億円)に達した。
人気観光地に客足集中
湖南省では、省内1048カ所の観光地に18日までに142.91万人が訪問。うち12カ所の5A級観光地には46.67万人が訪れ、前年同期比10.77%増を記録した。雲南省でも、4A級以上の観光地220カ所に281.1万人が訪れ、同10.6%増加した。
浙江省では17日14時から18日14時までの24時間で、省全体で1480.5万人の観光客を記録。特に杭州市の西湖風景名勝区や温州市の楠渓江風景区、台州府城文化観光地区などが人気の旅行先となった。雲南省では麗江古城や大理古城、昆明官渡古鎮といった歴史的な街並みが観光客を集めている。
日本企業への示唆
中国国内旅行の活況は、日本経済に複数の影響を与える。まず、中国政府が内需拡大に舵を切る中で、高額消費層が国内に留まる傾向が強まる可能性がある。例えば、山東省の5A級観光地16カ所に103.6万人が訪れたように、国内の「質」を重視した旅行体験への需要が高まっている。これは、かつて日本の百貨店や家電量販店を潤した「爆買い」のような、中国からの訪日消費の回復を鈍化させる要因となり得る。
次に、中国の旅行会社やOTA(オンライン旅行会社)が国内旅行商品の開発・販売に注力することで、海外旅行商品の優先順位が相対的に低下するリスクがある。特に、携程旅行網(Ctrip)のような大手プラットフォームが国内市場の深掘りを進めれば、日本への送客インセンティブが弱まる可能性も否定できない。
一方で、今回の国内旅行の活況は、中国人の旅行意欲そのものが旺盛であることを示している。陝西省で観光客が前年比21.36%増と大幅な伸びを見せたように、旅行への潜在的な需要は大きい。これは、日中間の航空便数やビザ発給が正常化すれば、日本への旅行需要が急回復する可能性を示唆する。特に、麗江古城や大理古城といった歴史的街並みが人気を集めていることから、日本の京都や奈良のような文化財を擁する地域は、中国からの観光客誘致において引き続き優位性を保てるだろう。日本企業は、この旺盛な旅行意欲をいかに日本へ向けるか、新たな戦略を練る必要がある。
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