中国政府が、新エネルギー車(NEV)、リチウムイオン電池、太陽光発電製品を「新三種の神器」と位置づけ、これらの分野で国家標準の策定を加速している。国家市場監督管理総局は、産業の技術革新と高度化を支援するため、標準化体系の構築を強化すると発表した。
「新三種の神器」の標準化を加速
国家市場監督管理総局・標準技術管理司の朱美娜(ジュ・メイナ)副司長によると、政府はすでにNEV分野で13件の国家標準を発表した。これには電気自動車(EV)の遠隔操作やコネクテッドカー技術(V2X)の開発支援が含まれる。
リチウムイオン電池分野では2件の国家標準を発表し、製品ライフサイクル全体でのトレーサビリティを強化。太陽光発電製品分野では42件の国家標準を公表し、製品品質や環境・低炭素指標を定めた。この内容は、同総局の記者会見をもとに新華社通信などが報じた。
2025年に向けた167件の行動計画
朱副司長はまた、同総局が「新エネルギー車・リチウムイオン電池・太陽光発電産業の標準化高度化行動計画」を策定し、「新三種の神器」関連で合計167件の国家標準プロジェクトに着手したことを明らかにした。
今後、標準策定はさらに具体化する見通しだ。NEVの安全性と品質向上のため新たに57件、リチウムイオン電池で30件、太陽光発電製品で80件の国家標準をそれぞれ制定する計画である。これにより、中国は関連産業における技術的優位性と国際的な主導権の確保を狙う。
日本市場への影響
中国がEV・電池・太陽光の「新三種の神器」分野で2025年までに合計167件の国家標準を策定する計画は、日本企業にとって技術的・市場的な機会とリスクを同時にもたらす。
まず、機会として、中国市場における日本企業の技術優位性の再評価が挙げられる。例えば、NEV分野で中国がV2X技術の標準化を推進する中、日本のデンソーやパナソニックが持つ車載通信技術やセンサー技術は、中国の新規標準に適合させることで、巨大なサプライチェーンへの組み込みを狙える。中国政府がすでにNEV分野で13件の国家標準を発表しているが、今後57件が追加される中で、日本企業は自社技術を中国標準に適合させることで、市場参入障壁を乗り越え、競争優位性を確立できる可能性がある。
次に、リスクとして、中国独自の標準が国際標準と乖離し、日本企業の輸出戦略に影響を与える可能性が挙げられる。特にリチウムイオン電池分野で2件の国家標準が発表され、今後30件が追加される計画は、電池材料や製造プロセスにおける中国独自の要件が強化されることを意味する。これにより、日本の電池メーカーや材料メーカーは、中国市場向け製品とそれ以外の市場向け製品で異なる仕様に対応する必要が生じ、生産コストの増加やサプライチェーンの複雑化を招く恐れがある。
最後に、太陽光発電分野で42件の国家標準が公表され、今後80件が追加される計画は、日本の太陽光発電関連企業にとって、中国の低価格製品との競争激化に加え、技術標準面でのキャッチアップが喫緊の課題となる。中国市場への参入を検討する日本企業は、これらの新規標準への適合を前提とした戦略構築が不可欠となる。