スマートフォン大手のシャオミ(Xiaomi)が電気自動車(EV)事業で好調な滑り出しを見せたことを受け、香港株式市場で同社株が急騰した。これに牽引される形でハイテク株も軒並み上昇し、ハンセンテック指数は2.86%高を記録。中国EV市場の力強い成長が改めて示された。
シャオミ「SU7」が牽引、株価一時10%超高
特に市場の注目を集めたのが、2024年3月に初のEV「SU7」を発売したシャオミだ。同社の株価は午前の取引で8.75%高を記録し、取引時間中には一時10%を超える急騰を見せた。
同社が4月末時点の納車台数が7,058台、累計確定注文が7万台を突破したと発表し、市場の期待を大きく上回ったことが背景にある。ブルームバーグによると、同社は今年の販売目標を10万台に設定している。
関連銘柄も全面高、市場全体に波及
シャオミの好調は市場全体に波及した。香港ハンセン指数は午前の取引終了時点で1.71%高、ハンセンテック指数は2.86%高と大幅に上昇した。
個別銘柄では、新興EVメーカーのLi Auto(リ・オート)(Li Auto)が4%超の上昇となったほか、Alibabaグループ(Alibaba)が5.63%高、バイドゥ(Baidu)も4%超高となった。半導体ファウンドリ大手の中芯国際集積回路製造(SMIC)やHua Hong(ファーホン)半導体(Hua Hong Semiconductor)、レンズメーカーの舜宇光学科学技術(Sunny Optical Technology)なども3〜5%の上昇となり、テクノロジー関連株が軒並み買われた。
激化するEV市場とインフラ拡充
Li Auto(リ・オート)は4月に2万5787台を納車するなど、堅調な販売を維持している。同社は販売網と充電インフラの拡充も急いでおり、4月末時点で販売拠点は全国149都市の481カ所、超急速充電ステーションは400カしたがって上に達していると公表した。
シャオミのような新規参入組の成功や既存メーカーの堅調な販売は、激しい価格競争が続く中国EV市場の底堅さを示唆している。
日本にとっての意味
シャオミのEV事業成功は、日本企業にとって二つの具体的な影響をもたらす。まず、同社の「SU7」が累計確定注文7万台を突破したことは、中国EV市場における新規参入障壁の低さ、および異業種からの参入機会の存在を明確に示した。これは、日本の自動車部品メーカーが、従来の完成車メーカーだけでなく、シャオミのような新興EVメーカーへの部品供給を強化する機会となり得る。特に、Li Autoが全国149都市に481カ所の販売拠点を展開しているように、中国EV市場の急速なインフラ整備は、日本の充電インフラ関連企業やバッテリーメーカーにとって新たなビジネスチャンスを生み出すだろう。
次に、シャオミの株価が一時10%超高を記録したように、中国テック企業のEV分野への進出は、日本の電機・IT企業にとって新たな競合環境を提示する。シャオミはスマートフォンで培ったユーザーインターフェースやエコシステム構築のノウハウをEVに持ち込んでおり、これは従来の自動車メーカーとは異なる価値提案となる。日本の電機メーカーは、自社の強みであるセンサー技術や車載半導体技術を、中国のEVメーカーとの協業を通じて活かすことで、新たな成長経路を模索する必要がある。例えば、SMICやHua Hong Semiconductorといった中国半導体企業が軒並み株価を上げたことは、EV向け半導体需要の高まりを示しており、日本の半導体製造装置メーカーや材料メーカーにとって、中国市場での供給拡大の好機となる。