1月27日の中国株式市場では、半導体セクターが全面高となった。セクター指数は3.95%上昇し、盛科通信や東芯股份は20%高を記録。メモリー価格の上昇を背景とした企業の業績回復期待が市場を牽引している。
メモリー価格上昇が他分野へ波及
半導体市場では、価格上昇の波がメモリー分野から他のチップ分野へと広がりを見せており、業界全体の需給構造が改善する可能性が指摘されている。中国銀河証券は、半導体セクターについて、サプライチェーン全体での価格上昇、AI需要の拡大、国産化の加速という3つの要因を背景に、構造的な上昇局面にあるとの分析を示した。
関連企業の業績、大幅改善へ
この動きを裏付けるように、メモリーチップ大手の徳明利(Dram-Led)は、このほど2023年通期の業績見通しを発表した。純利益を6億5000万元8億元と予想し、特に第4四半期の純利益は前年同期比で1051%〜1262%増となる見込みだ。同社はAI需要の増加がメモリー市況を回復させ、価格上昇につながり、製品の利益率が大幅に改善したと説明している。
また、メモリーの研究開発から後工程までを手掛ける佰維存儲(Biwin Storage)も、2023年通期の純利益が8億5000万元10億元に達するとの見通しを示した。同社はAIを活用したエッジデバイスなど高付加価値製品の出荷を増やしており、製品構成の最適化が進んでいるという。中国の現地メディアは、メモリー製品価格が2024年の第1四半期から第2四半期にかけても上昇を続けると報じている。
日本市場への影響
中国半導体市場の活況は、日本企業にとって直接的な機会とリスクをもたらす。まず、メモリー価格の上昇は、日本の半導体製造装置メーカーや材料メーカーにとって追い風となる。例えば、東京エレクトロンやSCREENホールディングスのような企業は、中国国内でのメモリーチップ生産能力増強に伴う設備投資の増加から恩恵を受ける可能性がある。特に、徳明利(Dram-Led)が2023年第4四半期に純利益を前年同期比1051%〜1262%増と見込むほどの急回復は、関連する日本企業の受注増に直結しうる。
一方で、中国企業の技術力向上と国産化加速は、日本の半導体メーカーにとって脅威となる。佰維存儲(Biwin Storage)がAIを活用したエッジデバイス向け高付加価値製品の出荷を増やしているように、中国企業は単なる量産だけでなく、高機能分野での競争力を高めている。これは、日本の半導体デバイスメーカー、特に特定分野で強みを持つ中小企業にとって、市場シェアを奪われるリスクを意味する。
さらに、中国の半導体サプライチェーン内での価格上昇と構造的改善は、日本の最終製品メーカーの調達コストに影響を与える可能性がある。メモリー価格の高騰が続けば、スマートフォンやPC、自動車といった製品を製造する日本企業は、部品調達コストの上昇に直面し、製品価格への転嫁や利益率の圧迫という課題に直視することになる。