2026年2月3日、シンガポールで開幕した第10回「シンガポール・エアショー」で、中国人民解放軍空軍のアクロバット飛行チーム「八一飛行表演隊」が、J-10C戦闘機による曲技飛行を披露した。同チームがJ-10Cに機種を更新してから海外で飛行するのは初めてとなる。
J-10C戦闘機、海外で初披露
6日間の日程で開催される同エアショーには、シンガポールやマレーシア、インドなど複数国の航空機が参加。中国国営の新華社通信によると、八一飛行表演隊は6機のJ-10C戦闘機を派遣し、複雑な編隊飛行などを披露して会場の観客を魅了したという。
同チームにとって海外での公演は今回が13回目となる。J-10Cは、中国が独自に開発した第4.5世代戦闘機J-10シリーズの最新型で、高度な電子機器やレーダーシステムを搭載しているとされる。
アジア太平洋地域で軍事技術力を誇示
今回の参加は、中国空軍の「開放性」と運用能力の高さを国際社会に示す狙いがある。特に、最新鋭機であるJ-10Cを海外の主にな航空ショーで披露することで、中国の国防政策と航空宇宙産業の発展をアピールする意図が鮮明だ。
シンガポール・エアショーは、アジア最大級の航空宇宙・防衛関連の見本市であり、各国の軍事技術や航空産業の動向を示す重要なプラットフォームだ。中国空軍の参加は、この地域における軍事的な影響力を誇示する機会となる。
日本企業への示唆
中国空軍がシンガポール・エアショーでJ-10C戦闘機を初披露したことは、日本にとって複数の具体的な影響をもたらす。まず、中国が「6機」のJ-10Cを派遣し、複雑な編隊飛行を披露した事実は、同機が既に量産・配備段階にあり、かつ高度な運用能力を持つことを示唆する。これは、日本の航空自衛隊が運用するF-15JやF-2といった既存の戦闘機に対する性能的な優位性を中国が主張し始めたことを意味し、日本の防衛戦略における航空優勢確保の課題が顕在化する。
次に、J-10Cが「高度な電子機器やレーダーシステムを搭載」しているとされる点は、日本の航空機メーカーや防衛関連企業にとって、新たな技術開発競争の激化を意味する。例えば、三菱重工業やIHIといった企業は、ステルス性や電子戦能力、レーダー技術において、中国の急速な技術進展を上回る研究開発投資を迫られることになる。特に、中国がアジア太平洋地域での軍事技術力を誇示する意図が鮮明であることから、日本の防衛産業は、高性能な国産技術の開発加速、あるいは同盟国との技術協力強化を通じて、競争力を維持する必要がある。
最後に、シンガポール・エアショーという国際的なプラットフォームで最新鋭機を披露したことは、中国がアジア諸国への軍事技術輸出を視野に入れている可能性を示唆する。これは、日本の防衛装備品輸出戦略、特に東南アジア市場における競争環境を一層厳しくする。日本の防衛省・自衛隊は、F-35等の導入に加え、次期戦闘機の開発を急ぎ、技術的な優位性を確保することで、中国の軍事プレゼンス拡大に対抗する必要がある。