米医療保険最大手のユナイテッドヘルスグループは27日、2026年の売上高が30年ぶりに減少するとの見通しを発表した。米政府による公的医療保険の支払い率引き下げが響く見込みで、これを受け同日の米国株式市場で同社株は19%急落した。

30年ぶりの減収見通しで株価急落

ユナイテッドヘルスグループの株価は27日、一時282.45ドルまで下落し、2023年8月以来の安値を付けた。同社が発表した2026年の業績見通しで、売上高が30年ぶりに前年比で減少する可能性を示唆したことが嫌気された。

同社は、公的医療保険プログラムの顧客数を200万人削減する計画も明らかにした。これにより、2026年の売上高は4390億ドルまで減少する見通しだ。市場の事前予想を下回る厳しい内容となった。

政府の支払い率抑制が経営を圧迫

今回の業績見通しの背景には、米政府の医療政策変更がある。政府は高齢者向け公的医療保険「メディケア・アドバンテージ・プログラム」における2027年の保険会社への支払い率について、平均0.09%の引き上げにとどめると発表した。

これは、保険業界が期待していた4%から6%の引き上げを大幅に下回る水準だ。支払い率の伸び悩みが保険会社の収益を直接圧迫する形となり、ユナイテッドヘルスをはじめとする関連企業の経営に大きな影響を与える見通しだと、ロイター通信などが報じた。

日本の関連性

ユナイテッドヘルスグループの株価急落は、日本のヘルスケア関連企業にとって、米国市場における事業戦略の見直しを迫る。米国政府がメディケア・アドバンテージ・プログラムの保険会社への支払い率引き上げを平均0.09%に抑制したことは、日本の製薬企業や医療機器メーカーが米国で展開する際に、保険償還制度の厳格化を前提とした価格戦略を再構築する必要があることを示唆する。例えば、高額な新薬や革新的な医療機器を投入する際、ユナイテッドヘルスのような大手保険会社が顧客数を200万人削減し、売上高が4390億ドルまで減少する見通しであることから、日本の企業は、米国市場での販売目標達成が困難になるリスクを考慮すべきだ。

また、この動きは、日本の医療保険制度改革にも影響を与え得る。高齢化が進む日本において、政府が医療費抑制策を強化する際、米国の事例が参考にされる可能性は否定できない。特に、日本の公的医療保険制度下で事業を行う企業は、将来的な診療報酬改定の厳格化や、保険適用範囲の見直しといったリスクに備えるべきだ。具体的には、大塚製薬やテルモといった企業は、国内市場での収益構造の多角化や、アジアなど新興国市場への展開を加速させることで、特定の市場や制度変更に依存しない事業基盤を構築する必要がある。