米フォード・モーターが、中国の車載電池大手BYD(比亜迪)製バッテリーの採用に向け、協定を進めていることが分かった。海外工場で生産するハイブリッド車(HV)への搭載を検討しており、サプライチェーンの多様化を図る狙いがある。EVや自動運転分野では中国企業の技術開発が加速しており、世界の自動車産業における存在感が高まっている。
フォード、BYD製バッテリー採用を協定
フォードは現在、複数のサプライヤーからバッテリーを調達している。関係者によると、その一社としてBYDを加え、コスト競争力の高いリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池の供給を受ける方向で協定を進めている。協定は進行中であり、まだ最終合意には至っていないという。
BYDはEV販売台数で世界トップクラスを誇り、車載電池の外販も強化している。中国のEV市場は政府の強力な後押しを受けて世界最大規模に成長しており、そこで培われた技術と生産能力がグローバル市場にも影響を与え始めている。
ファーウェイ、自動運転技術の展開を加速
テクノロジー分野では、通信機器大手のファーウェイ(ファーウェイ技術)が自動車事業を強化している。同社のスマートカーソリューションBU(事業部門)のCEOである余承東(リチャード・ユー)氏は、2024年中にファーウェイの先進運転支援システム(ADS)を搭載した車種が80を超えると現地メディアに語った。
ファーウェイは自社で自動車を製造せず、自動車メーカーにソフトウェアやシステムを供給するビジネスモデルを推進。高度な自動運転技術を武器に、自動車産業のソフトウェア化を主導する構えだ。
メディアテック、新型モバイル半導体を発表
台湾の半導体大手メディアテック(MediaTek)は、新型のモバイル向けSoC(System-on-a-Chip)である「Dimensity 9500s」と「Dimensity 8500」を発表した。これらはスマートフォンの処理能力を向上させるハイエンド製品で、中国のスマホメーカーなどが採用するとみられる。米クアルコムとの競争が激化する中、製品ラインナップを拡充しシェア拡大を狙う。
日本の関連性
フォード・モーターがBYD製バッテリー採用を進める動きは、日本自動車産業にとってコスト競争力とサプライチェーン再編の圧力となる。BYDのLFP電池は、資源制約の少ないリン酸鉄系であり、低コスト化に貢献する。これは、高価な三元系電池に強みを持つ日本の電池メーカーや、それらを主要調達先とする完成車メーカーに対し、コスト面での不利を突きつける。特に、HV分野での採用検討は、日本メーカーのHV技術優位性に対する新たな競争要因となる。
ファーウェイがADS搭載車種を80超に拡大するとの報道は、日本の自動車メーカーが自動運転技術開発において、ソフトウェアとシステム統合の重要性を再認識する必要があることを示唆する。ファーウェイは自社製造ではなく、システム供給に特化することで、自動車産業のソフトウェア化を加速させている。これは、ハードウェア中心だった日本の自動車メーカーに対し、ソフトウェア開発体制の強化と、異業種との連携を迫る。
MediaTekの新型半導体「Dimensity 9500s」と「Dimensity 8500」の発表は、日本の半導体産業にとって、特にモバイルSoC分野での競争激化を意味する。高性能SoCは、自動運転やEVの車載システムにも応用可能であり、日本の半導体メーカーは、中国・台湾勢の技術動向を注視し、自社の強みを活かした差別化戦略を加速させる必要がある。これらの動きは、日本企業が中国企業の技術力と市場支配力に対し、新たな事業モデルや提携戦略を模索する契機となる。
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