中国の自動運転大型トラックメーカー、DeepWay(深向)が、IPO(新規株式公開)前の資金調達ラウンドで11.77億元(約240億円)を確保したことが明らかになった。同社は検索大手バイドゥ(バイドゥ)の支援を受け、新エネルギー大型トラックの量産納入を実現しており、調達した資金でさらなる事業拡大を目指す。

バイドゥ支援のDeepWay、IPO前ラウンドで資金調達

DeepWayは2020年設立の新興企業で、新エネルギーを利用した大型トラックの開発と製造を手がける。同社の創業者兼CEOである万鈞氏は、バイドゥの自動運転部門出身だ。バイドゥはDeepWayの主に株主(出資比率17.28%)であり、戦略的パートナーとして自動運転技術を提供している。

今回完了した資金調達はIPO前ラウンドにあたり、事業の成長性と将来性が高く評価された形だ。同社は2023年に世界初となる量産モデルの納入を開始し、中国の新興大型トラックメーカーとして初めて量産体制を確立したと、中国メディアは報じている。

量産体制を確立、赤字先行も事業拡大を急ぐ

DeepWayは、第一世代モデル「DeepWay STAR」の販売を2023年に開始し、同年末までに500台以上を納入した。2024年末までには累計3,000台以上の納入を目指している。さらに、2025年6月末までの累計納入台数は約6,400台、顧客数は311社に達する計画だ。

一方で、財務状況は先行投資により赤字が続いている。2022年に2.66億元、2023年には3.89億元の純損失を計上。売上高の大半は車両販売によるもので、自動運転技術を活用した「スマート貨物輸送ソリューション」は現在無償で提供されており、収益化が今後の課題となる。しかし、同社が掲げる「技術開発・製造・運行管理」を一体化したビジネスモデルと技術ロードマップは、早期の事業化が期待されており、資本市場からの注目度は高い。

日本への影響と示唆

DeepWayのIPO前ラウンドにおける11.77億元(約240億円)の資金調達は、日本のトラックメーカーにとって直接的な競争激化を意味する。特に、DeepWayが2023年末までに「DeepWay STAR」を500台以上納入し、2024年末までに累計3,000台以上を目指すという急ピッチな量産計画は、EVトラック分野での市場シェア争奪戦を加速させるだろう。

日本のメーカーは、中国市場におけるEVトラックの需要拡大と、バイドゥの自動運転技術を背景にしたDeepWayの急速な成長に対し、戦略的提携や技術開発の加速を迫られる。例えば、商用車分野で強い日野自動車やいすゞ自動車は、中国国内の自動運転技術を持つスタートアップとの連携を模索するか、自社技術開発への投資を強化する必要がある。

また、DeepWayが「スマート貨物輸送ソリューション」を現在無償提供している点は、将来的な収益モデル転換の可能性を示唆しており、日本の物流企業やIT企業にとっては新たな協業機会となり得る。中国の自動運転技術が先行する中で、日本の企業がこの分野で競争力を維持するためには、単なる車両販売だけでなく、データ活用や運行管理システムといった付加価値サービスへの転換が不可欠となるだろう。